この度は私『ドクソ』の独壇シンポジウムへようこそおいで下さいました。
シンポジウムとは識者を集めて、多面的な議論を行う学会の事で、独壇シンポジウムという言葉は矛盾しているのだが。
そこは僕が阿呆だと言うことで、許して頂く事にする。
テーマは音楽の表現者について議論をしていく。
僕「ドクソ」だけでは議論のしようも無いので、架空の人物「モクソ」と話を展開していく事にする。
『ドクソ』
「僕はギターを弾けるのが格好良いと思って手に取った事があるが、めちゃくちゃ難しくてすぐ投げだした事がある、そこで今回は音楽表現に優れた「モクソ」をお呼びしたので、その意見を聞かせて頂きたい」
『モクソ』
「初めまして、モクソです。俺がギターを弾こうと思うキッカケは「格好良い」とか「モテたい」という気持ちが強かったと思います。
ですが大多数の人がFのコードに挫折して辞めていくんですね、一度に多くの弦を押さえて曲を進行させるギターは結構むずかしいんですよ」
『ドクソ』
「僕はCで挫折しました」
『モクソ』
「それは才能とかの以前に、やる気そのものが無かったか、完璧主義だからいきなり高いハードルを設定し過ぎて心が折れたんでしょうね」
「格好良いどころか、凄いダサいですね」
『ドクソ』
「ぐうの音も出ない、しかしギターを弾ける人は尊敬する、しかも弾き語り出来る人は複雑な作業を2つ同時に行ってるのは凄いと思う。」
『モクソ』
「その上、譜面を読みながらだと3つの作業を一度に行うことになります。だから2つの作業しか平行出来ないドクソさんはギターを弾けても初見の曲は出来ない事になりますね」
『ドクソ』
「なるほど、じゃあ僕には音楽は才能が無いってことだね」
『モクソ』
「一概にはそうは言えません、沢山の楽器があって、その中には単純作業を行う物もあります。それに音楽は聞くだけでも脳の活性化に繋がるので、ドクソさんのような適応障害の方にも有効です」
『ドクソ』
「音楽療法ってやつだね、沢山の人と音楽を通じて社会性を取り戻す、医療現場でも最近注目されてるらしいね」
『モクソ』
「はい、音楽業界はほんの一握りの人しか成功できません、ですが本来の『音』を『楽しむ』心を忘れなければ、その力を借りて生活を豊かにすることも出来るでしょう」
『ドクソ』
「うんうん、今日は忙しいところ、来てもらえてとても嬉しかった、ありがとう」
『モクソ』
「音楽の可能性と言うのは無限大です。ドクソさんもCのコードで諦めず、またギターに触ってみて下さいね、今日はありがとうございました」
『ドクソ』
「次回は格闘家のボクソさんをお招きする予定です。皆さん、ご清聴ありがとうございました
」