【天上天下唯我独尊男ドクソ】

自分を知るためのブログ

【思考的強者思考③】

 

皆さん、いつもありがとう『ドクソ』です。

 

今日はまた、僕の周囲にいた思考的強者を紹介していく。

 

そいつは、学生時代の僕のクラスメイトで、やんちゃな男だった。

 

今はどういう言葉を使っているのかは分からないが当時は「ヤンキー」と呼ばれている部類の人間だった。

 

仮名を付けるのが面倒くさいのでこの記事ではそのままヤンキーと呼ぼう。

 

僕は休み時間になるといつもコソコソと書き物をしていた。

それを取り上げたクラスのリーダー的な奴がノートを取り上げて「おい!ドクソがなんか書いてるぞ!」とクラス全員に聞こえるように大声で言った。

 

所謂根暗だった僕は返してとも言えず「あっあっ・・・」と言葉にならない言葉を発していた。

僕がその日書いていたのは「歌」だった。

 

「えー、ドクソ歌なんて書いてんだ、ちょっと皆見てみろよ」

 

そう言うとリーダーの周りにその仲間たちが集まって来て、僕の書いていた歌を見て大笑いした。

 

「ドクソお前これ本気で書いてんのかよ、マジで笑える」

 

「ホントだ、ドクソ、ちょっとこれってオリジナルか?マジ?」

 

そういってリーダーはノートを掲げて、クラス全員に見せた。

 

僕はもう取り返す気力もなくて、顔を真っ赤っかにしてうなだれたまま席に座っていた。

 

クラスの男子が笑い転げ、女子は僕の方を見てヒソヒソ話をしている「やっぱりドクソ君て気持ち悪いよね」なんて声が聞こえる。

 

僕の友だちはそれを居心地悪そうに遠くから見ていた。

 

嗚呼、消えてしまいたい、明日から学校に来たくない。

やっぱり学校なんかで書くんじゃなかった。

書いていたのが「愛」とか「恋」とかいう内容だったから更に恥ずかしかった。

 

「おい!ドクソ、俺がこの歌の題名つけてやろうか!」

 

リーダーがそう言い終わると同時に「ガンっ!!」という音が教室中に響いた。

 

クラスのヤンキーが机を蹴っ飛ばした音だった。

 

「うるせーよ、くだらないことでいちいち騒ぐんじゃねぇ!!」

 

ヤンキーがそう言うと静寂が訪れた、そしてその音を聞いた副担任が「おいおい、騒ぎを起こすなよ、なんだ、またヤンキーか」

 

そう言って副担任はヤンキーを連れて教室から出ていった。

ヤンキーは「腕をつかむな、自分で歩いて行く」と言って副担任の手を振り払っていた。

 

僕は急いでリーダーからノートを回収して胸元に抱えた、六時間目開始のチャイムが鳴り全員が自分の席に戻っていく。

 

授業中もリーダーの仲間たちに消しゴムを投げられたりしたけど、何とかノートは手元に戻ったので安心していた。

 

放課後になると同時にヤンキーはクラスに戻ってきた。

 

僕は彼がいる限りはイジられる事がないと思って、帰る同級生を横目に自分の席に座って誰もいなくなるのを待った。

 

廊下でリーダー達が手招きをしていたけど見えない振りをした。

 

放課後になってから一時間位経過すると、僕は教室のドアに向かい、廊下に誰もいない事を確認した。

 

よし、誰も残ってない、この隙に早く帰ってしまおう。

そうして帰り支度をしていると背後から声を掛けられた。

 

「おい」

 

僕はビクッと震えて、恐る恐る後ろを見るとそこにはヤンキーの姿があった。

 

「な、なに?」

 

僕が震えながら聞くと、ヤンキーは「さっきのノート見せてくれ」と言ってきた。

少し躊躇したがリーダーのように馬鹿にする感じでもなく、真剣そうな眼差しをしていたので「ど、ど、どうぞ」と言ってノートを手渡した。

 

ヤンキーはその歌を見て「俺の趣味じゃねーな」と言ってノートを返してくれた。

 

「お前って尾崎豊とか聞くか?」

 

「お、尾崎?誰のこと?」

 

「えー、知らねーのか!名前くらい聞いたことあんだろ普通」

 

そう言って僕の席に座るヤンキー。

 

「ドクソ、お前のその歌は俺も下手糞だと思うけどよ、辞めることはねーと思う」

「つーか笑われても辞めんな、俺はお前がそんな趣味があるなんて知らなかったけど、多分それは格好わりーことじゃねえ」

 

俺は頭わりーから上手く言えないんだけどよ、と言いながら頭を掻くヤンキー。

 

「笑うなよ」

 

小さい声でそう言うヤンキー。

僕は首を傾げる。

 

「俺は実は声優になりてーんだ、ダセーから誰にも言ってねぇけどよ」

「だから、お前のやってることなんて、なんつーか、あれだ、イケてる方だと思うぞ」

 

そう言って自分の机に戻り帰り支度をするヤンキー。

 

「お前誰にも今の事言うんじゃねえぞ、馬鹿にされっから」

 

そう言って教室を出ようとしたヤンキーに向かって僕は言った。

 

「・・・くない・・・」

 

ヤンキーが「あ?」と言ってこちらを向く。

 

僕は今度はもう少し大きな声で言った。

 

「だ、だだ、ダサくない!」

 

「か、か、か、格好いい!!」

 

ヤンキーは笑って「おうっ」と言った。