この度は私『ドクソ』の独壇シンポジウムへようこそおいで下さいました。
シンポジウムとは識者を集めて、多面的な議論を行う学会のことで、独壇シンポジウムという言葉は矛盾しているのだが。
そこは僕が阿呆だと言うことで、許して頂く事にする。
今回のテーマは、前回「格闘技」を議論すると言ったが、格闘技の専門家『ボクソ』さんが急用により来られないので。
急遽アクセサリーの専門家『アクソ』に来て頂いた。
『ドクソ』
「アクソ、急に呼び立ててしまい申しわけない、ボクソにも困ったもんだ」
『アクソ』
「オイラが呼ばれたのは、ドクソが格闘技を調べるのに手間取ってるからって聞いてるよ」
『ドクソ』
「ぐうの音も出ない、アクソはアクセサリーの専門家と聞いているが、仕事は何だい?デザイナーかい?」
『アクソ』
「いんや、オイラの仕事はカリスマ店員だ、それも大手ショッピングモールとかじゃなくて寂れた地方の店だ」
『ドクソ』
(・・・大丈夫かコイツ・・・)
「何で呼ばれたんだろうか・・・まあショップ店員であるならば、その道のプロには違いない、ちなみにその店でメインに扱っている商品はどんなものなの?」
『アクソ』
「オイラの店では主にシルバーアクセサリーを扱ってるよ」
『ドクソ』
「おー、シルバー、僕も昔スカルのモチーフが好きで、つけていた時期がある、でもあんまり周りの人に印象良くなかったんだよな・・・」
『アクソ』
「それはね、付け方が下手糞だからだよ、アクセサリーを見せたいなら、あえて服装をシンプルに保つ必要もあるんだ、ただ派手に見せれば良いってもんじゃないんだよ」
『ドクソ』
「おお!ショップ店員っぽい!僕は当時あんまりお金が無かったから買える物は限られていたんだ、そういう人にお勧めのアクセサリーはある?」
『アクソ』
「基本的には気に入ったのを買うのが一番で、オイラの見解でしか物を言えないけど、オイラはやっぱり「フレア」か「スカル」のリングをお勧めするよ、モチーフとしても鉄板だしね」
『ドクソ』
「百合か髑髏か、確かにそれはどのシルバーを扱ってるブランドにも必ずあるよね」
『アクソ』
「いつもみたいに接客していい?」
『ドクソ』
「僕に?いいよ、買わせてみせてよ」
『アクソ』
「まずは「フレア」から、フランス王家の紋章の形で、天使ガブリエルが聖母マリアに捧げた花としても有名だよね、「威厳・純潔・無垢」という言葉を表していて、種類によっては「注目を浴びる」や「多彩な人」という意味もあって、オイラとしてはこれから純粋に、夢に向かって頑張りたいと思ってる人にお守りとして持っておくにはこの「フレア」をお勧めしているよ、王家の紋章と言うからにはそれはその国の「信念」の象徴でもあるわけだけらね、これから自己表現をして才能を開花したい人にピッタリじゃないかな」
『ドクソ』
「あ・・・あれ?」
『アクソ』
「そんでスカルは「死」を象徴するモチーフでもあるけどその逆の「生を大切にする」という意味も持ってるんだ。「魂の器」として吉兆の象徴として扱われていることもある、「永遠に不変な物はない」と仏教でも言われているし「真実」の象徴でもある、「健康」願うという意味合いもあるそうなんで、大切な人にその物語を説明して渡すと喜ばれるんじゃないかなぁ・・・」
「自分には「信念」を、相手には「健康」を願うという意味で、それぞれの役割の果たし方によって選べばいいと思うよ」
「共通して言えるのはこれは「大切」という事なんだ、だからドクソが自分や相手のことを想って買うならどっちも間違いじゃないのさ」
『ドクソ』
「凄い!どっちも欲しくなった!」
『アクソ』
「毎度あり」
『ドクソ』
「本当にカリスマだったんだねぇ」
「次回こそ、格闘家のボクソさんをお招きしたいと思います。皆さん、ご清聴ありがとうございました」