【天上天下唯我独尊男ドクソ】

自分を知るためのブログ

【思考的強者思考⑥】

 

皆さん、いつもありがとう『ドクソ』です。

 

今日紹介するのは、以前努めていた会社の僕の上司にあたる『スヴェン』だ。

 

スヴェンは、僕が社会に出てから、最初に存在を受け入れてくれた恩人だ。

 

社会人として働き始めた僕は、自分なりに頑張ってはいたんだけど、学生気分を引きずっていて職場で浮いていた。

毎日毎日、仕事終わりに行われる「一日の総括」ではそんな僕をバッシングする意見が飛び交う。

 

仕事始めは「しっかりしてよ」

仕事終わりは「またドクソさんが・・・」

 

日々を追うごとに僕を批判する意見は増え、職場に蔓延していった。

全く覚えが無いことでも、僕を槍玉に上げる同僚達。

 

「私、ドクソさんと同じシフトに入るの嫌なんだよね」

 

最終的には面と向かってそんな事を言われたこともある。

これは僕が思考的弱者である事で、職場に迷惑を掛けているんだから仕方ないと考えて、自分なりに悪いところを考えながら仕事をこなしていた。

 

帰り道は、自分の情けなさに涙が出た。

 

努め始めてから約2年、沢山の人が転職したり、他の店舗に移動したりで、僕へのバッシングは減少していった。

少し仕事に慣れてきて、僕は「仏スマイル」(悟ったような表情)がすっかり板についていた。

 

笑ってさえいれば、呆れられて、それ以上僕への批判は継続されない。

そんな「心が死んだような笑いの表情」を浮かべることで、毎日を過ごした。

 

そんな時、スヴェンが僕のいる店舗に移動してきた。

スヴェンが転勤してきた初日、僕は休日をとっていていなかった。

 

僕は家で怯えていた。

僕がいない内に、きっと職場は僕の悪口で溢れている。

新しい上司であるスヴェンは僕と会う前から「最悪の印象」を刷り込まれているに違いない。

 

翌日、重い足を引きずりながら職場に到着すると、そこには見慣れない男性がパソコンの前に座り、作業をしていた。

僕はヘラヘラと死んだような笑顔を浮かべ「スヴェンさんですね、ドクソです。今日からよろしくおねがいします」と挨拶をした。

 

「あぁ、君がドクソ君ね、よろしくね」

 

そう言ってスヴェンは僕に握手を求めてきた。

僕も右手を差し出して、スヴェンの手を握った。

 

握った手の中に違和感がある、何かを手渡されたんだ。

それを落とさないように握手を離す時に両手を添えた。

 

僕の手の中にあったのは2つの「トリュフチョコレート」だった。

 

「く、くれるんですか?あ、あ、ありがとうございます」

 

僕のどもり癖が出てしまった、これが出て良い印象を持ってくれた人はいない。

僕は急いで口元を隠した。

 

スヴェンは再びパソコンに向き直り「皆から聞いたよー、ドクソ君ってあんまり仕事が出来ないって?空回りしちゃってるって聞いたよ?」

 

僕はビクッと震え、やっぱり危惧していた事態が休日のうちに起こっていたことを理解した。

 

「あはは、頑張ってるんですけど。やればやるほど迷惑みたいで、僕って頭が悪いみたいなんです」

 

僕はスヴェンと顔を合わせないようにしながら仕事のユニフォームに着替える。

悔しくて歯ぎしりをした。

僕はこの頃歯ぎしりが癖になってしまっていて、そのせいで奥歯が半分欠けてしまっていた。

 

「大丈夫だよ、怖がらなくて」

 

中越しにスヴェンが声をかけてくる。

 

「俺は一生懸命な奴が一番好きだ、だから頑張れるドクソ君はこの職場に必要な人なんだよ」

 

「トリュフ、他の人には1個ずつだから内緒にしといてね」

 

僕の肩は小刻みに震えている、目頭が熱くなって振り返ることが出来なかった。

そんな僕の尻を叩いてスヴェンは言った。

 

「あのさ、辛かったら相談しろよ、俺はそれも上司の役目だと思ってんだから」

 

僕は振り返らなかった、涙が引くまでその場を動けなかった。

その結果、タイムカードを押すのが遅れて、遅刻扱いになってしまった。

 

スヴェンは「頑張ってても遅刻は駄目、絶対」と言って笑ってた。

 

僕はその後、スヴェンが移動するまでそこで働いた。

 

その頃から、辛いときには「トリュフのチョコレート」を食べるようにしている。